こんにちは。品川シーサイドイーストタワー歯科の歯科医師、大森です。
めっきり暑くなって夏が近づいてきた感じですね!
今日は歯周病についてお話したいと思います。
皆さんは歯周病の本当の怖さをご存知でしょうか。
それは「早期発見されにくい」事です。
初期の歯周病は本人に自覚症状ほとんどありません。
むし歯はしみる等「痛み」の症状が現れます。
そのため早期発見されやすく、初期のものであれば治療も短時間で済みます。
しかし歯周病は、痛み等症状が出た頃にはかなり進行していることが多く、治療が長期に渡ることがよくあります。
ではなぜ早期発見されにくいのでしょうか。
それは、患者さん自身が歯周病の存在を確認できる機会が少ないからだと考えられます。
歯周病の好発年齢は30~40代と言われています。
しかし、日本の保健制度で歯科検診が義務化されているのは、高校生までです。
この制度は、むし歯の早期発見には効果的ですが、歯周病の早期発見にはほとんど効果がありません。
内科検診、がん検診などは労働保健で検診が義務化されており病気が早期発見される場合が多いのですが、歯科検診は社会人の検診がない為どうしても発見が遅れてしまいます。
仕事盛りのこの年代の方々は、痛みもないのにわざわざ歯科医院に行くとは考えにくいです。
歯周病が重症化してから初めて歯科医院に来院する患者さんが多いのは、残念ながらこういった制度的な問題もあります。
歯周病は重症化すると完治させるのが難しく、ほとんどの場合抜歯となってしまいます。
日本人の、歯が抜ける原因の50%は歯周病の悪化です。
普段歯科医院に通院されている方は歯科医に歯周病を指摘されますので、早期に治療を行うことができます。
しかし、歯科に通う習慣のない方は重症化するリスクが高いと言えます。
身近な方で、しばらく歯医者に行っていない人がいたら、是非「歯科検診」を勧めてあげて下さい。
痛みがなくても歯周病は静かに進んでいるかもしれません。
歯周病の早期発見で、歯の寿命は大きく変わります。
普段歯科医院に通院されていない方ほど、是非「歯科検診」に来て頂きたいと思います。