こんにちは。品川シーサイドイーストタワー歯科の歯科医師、大森です。
最近めっきり寒くなってきましたがいかがお過ごしですか。
今回は、歯周病と全身疾患との関係についてお話ししたいと思います。
歯周病とは、歯の周りの組織を破壊することで、歯が抜けていいてしまう病気で、歯の抜けてしまう原因の50%を占めます。
歯と歯茎の間にある歯周ポケットに菌が繁殖してしまうことが原因とされています。
歯周病はきちんとした歯磨きと定期健診で予防することができますが、重症化してしまったものはなかなか改善するのが難しい厄介な病気です。
最近では歯が抜けてしまうことの他に、全身へ影響を及ぼしてしまうことが解っています。
ここでいくつか紹介したいと思います。
①糖尿病
潜在患者を含めると1600万人が罹患しているとされ、失明や腎臓病の合併を起こしてしまう病気です。
歯周病が悪化すると血糖のコントロールが困難になり、糖尿病がより悪化しやすくなると言われています。
また糖尿病に罹患していると、免疫力が低下し歯周病が悪化しやすくなります。
この2つの病気は、双方で影響し合っていることがわかります。
②動脈硬化
歯周病が悪化すると、血液内に歯周病菌が入り込み、血管を通して全身に運ばれます。
血管壁に付着した菌に対して免疫反応が働くことで、血管壁が厚くなったり血栓を作ったりします。
その結果、動脈硬化を起こしやすくなると言われています。
③誤嚥性肺炎
高齢者になるときちんと飲み込みができなくなり、気管に食物が入りやすくなってしまいます。
これを誤嚥といい、食物と一緒に菌も気管へ入り、そのまま肺に定着することで肺炎を起こしてしまいます。
高齢者の肺炎の原因1位で、口腔内を清潔に保つことで発症を減らすことができると言われています。
④早産、低体重児出産
早産・低体重児出産の母親の歯周病菌の量が、そうでない人と比べ4~7倍多いという報告があります。
また妊娠中はホルモンバランスの変化や間食の増加、つわりなどによって口腔内の環境が歯周病になりやすくなると言われています。
妊娠中の歯周病はの喫煙や飲酒よりも早産・低体重児出産のリスクが高いと言われています。
口腔内を清潔に保つことがいかに大事かわかります。
その他、感染性心内膜炎、骨粗しょう症、関節リウマチなども歯周病と関係があると言われています。
一見お口とは関係のないように思える全身の病気が、歯周病によってリスクが高まってしまいます。
しかし、その怖い歯周病を予防するには、
①正しい歯磨き習慣
②歯科医院での定期健診
の2つだけです。
毎日の小さな積み重ねと定期的な点検を行い、お口だけでなく全身の健康も維持していきましょう。