こんにちは。品川シーサイドイーストタワー歯科の歯科医師、大森です。
先日の震災により被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。
今回は被災地でも深刻な問題になっている『誤嚥性肺炎』についてお話したいと思います。
誤嚥性肺炎とは、お口の中に存在する菌が気管に入り肺に定着することで生じる肺炎のことを指します。
通常の場合、気管に物が入るとむせて異物を外へ吐き出す機能があります。
しかし高齢者の方など、うまくむせることができない人は、異物を完全に外に吐き出すことができません。
残念ながら、加齢によりむせる等の反射機能は低下してしまいます。
実際高齢者が患う肺炎のほとんどが、この誤嚥性肺炎と言われています。
この誤嚥性肺炎の防止、予防には口腔ケアが有効です。
つまり、口腔内の細菌数を減らし、肺炎にかかるリスクを減らすことが大切になります。
ではその細菌の棲家はどこでしょうか?
そう、歯や歯茎です。
ほとんどの場合、虫歯菌や歯周病菌が悪さをして肺炎になってしまう事が多いとされています。
つまり、虫歯や歯周病を治すことは誤嚥性肺炎を防ぐことにも繋がっていくということです。
口腔ケアの基本は歯磨き。
そして虫歯や歯周病などの治療を受けることです。
今被災地では、この誤嚥性肺炎の発症を予防するため、特に高齢者の口腔ケアを行うことが大切であると言われています。
歯磨きをきちんとすることが理想ですが、歯ブラシがなかったり、自分で歯磨きできない高齢者の方には、ガーゼなどでお口の中を拭うだけでも効果があると言われています。
今のような大変な時期に、歯のことまで気が回らなくなってしまいがちですが、こうした病気を予防するためにもぜひ知って頂きたいと思います。
最後に、一日でも早い復興をお祈りいたします。